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 オリンピックから学ぶ〜モチベーションを高める方法(1)
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 こんにちは。


 たくさんの感動を与えてくれた北京オリンピックも幕を閉じました。一
 流のアスリート達の試合や演技は華やか美しく感じる一方、そこまで到
 達するためには日頃相当な努力を積んでいただろうことが、ふと我に
 返って気がつくのは私だけではないと思います。


 そこで今回は、音楽をさらにうまくなりたい人にも通ずる「モチベー
 ション」について、数多くのオリンピック体操選手を育ててきた河合楽
 器製作所体育事業部の青木倫さんに、コーチならではの視点でモチベー
 ションを高める方法を伺いました。


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 一流のアスリートというのは、それぞれ自分流のモチベーションを維持
 し高める方法を持っているんです。


 例えば、ロサンゼルス大会において個人総合で金メダルを獲得した選手
 は、カラオケが大好きで、大きな声で歌い日々の緊張をほぐしていた
 し、同じ大会の鉄棒で3回の10点満点を出して金メダリストなった選手
 は、桂枝雀の落語を聞いて練習や試合での緊張をほぐし、次の日へのモ
 チベーションをコントロールしていました。


 また、バルセロナ大会で平行棒で銅メダルを獲得した河合楽器の選手
 は、演技前には必ず「大丈夫、大丈夫、いつもどおり」と唱えて気持ち
 を落ち着けていました。彼は、普段の練習を試合のつもりで、試合では
 いつもの練習どおりに演技することで高いパフォーマンスを発揮してい
 たのです。


 今回の北京オリンピックで二つの銀メダルを獲得した話題の選手のチョ
 コレート好きは、すっかり有名になりましたね。彼は、幼い頃から練習
 中でもチョコ食べていたことから、今でもチョコが緊張をほぐし、普段
 通りの演技ができるスイッチになっているのでしょう。


 オリンピックに出場できるような選手は、高いモチベーションをいかに
 維持するかということが一番大切になります。そう考えると、今話して
 きたことは、モチベーションを高めるというより、モチベーションを維
 持する方法かもしれません。


 たくさんの選手達を見ていると、モチベーションを維持したり高めたり
 するには、緊張と緩和のメリハリが大切だと感じます。気持ちに余裕が
 あり、肉体的にも精神的にも充実していて、もう少しでかなう目標に向
 かっている選手は、目が輝き、コーチの言葉を食い入るように聞き、中
 身の濃い練習ができるものです。


 ソウル大会で代表になった高校生コンビは、「オリンピックに出たい」
 といった気持ち「やる気」「意欲」のかたまりでした。良いライバル関
 係でもあったため、この高校生コンビは見事にソウルで大活躍しました。




 (次号につづく)




 青木倫 プロフィール
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 1983年から1998年まで河合楽器体操部コーチ。1998年から2002年まで、
 体操競技ナショナルコーチとしてたくさんの選手を育て、メダルへと導
 く。現在は、体育事業部 健康増進室 健康増進課 課長を務めながら、
 日本体操協会審判部・国際審判員として活躍中。






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