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│□│ コラム ポップミュージックにおけるギター 3 │□│
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こんにちは。
9月とはいえ残暑厳しき日々が続いていますが、
秋の気配も所々に感じる今日この頃、皆様いかがお過ごしでしょうか?
さて、シリーズ“ポップミュージックにおけるギター”も
今回が最後となりました。過去2回は泣きのギターソロに焦点をあてた
比較的王道パターンのナンバーを紹介してまいりましたが、
今回は最後ということもあり、ちょっとアウトサイダーな
ギターミュージックについてのご紹介をしたいと思います。
■ノイズ・ノイズ・ノイズ
皆さんは、この日本がノイズミュージック大国だということを
ご存知ですか?ホワイトノイズ・ハウリング・フィードバック・電子音・
騒音・雑音など身の回りにはいろんなノイズが有りますが、
それらのノイズを音楽的表現の手法とするアーティストが
1970年代より日本から多く出現しています。
極限までに歪んだノイズギターの集団即興演奏を行なった大阪のグループ
“非常階段”や、60年代から活躍しジャズというジャンルから
ラディカルにノイズを鳴らし続けた前衛ジャズギタリスト高柳昌行('91没)、
ロックのフォーマットに身をおきながらも、
精神修行であるかのような轟音ギターによりジャンルを越えて
ストイックに表現活動を続ける孤高のギタリスト灰野敬二などなど。
コアでマニアックではありますが、ジャンルを問わず
世界の先鋭的なアーティスト達から高い評価を得ています。
彼らは、1950〜60年代のオーネット・コールマンやサン・ラなどの
フリージャズ、シュトックハウゼンやジョン・ケージなどの現代音楽の
実験的手法や精神性を引き継ぎ、その後のサイケデリックやプログレ・
パンク・ニューウェーブ・テクノなど先鋭的ポップミュージックの先駆者
として、さらに90年代に世界のロックシーンを席巻したグランジ・
オルタナブームへの橋渡しとしての役割も果たしたといえます。
ある意味、ポップミュージックにおける表現の可能性を広げた
といっても過言ではないでしょう。
さて、ポップミュージックとしてそれらの実験的手法を巧みに取り入れ、
完成させたアーティストは数多く存在しますが、
その中でも特に影響力のある2つのグループを紹介しましょう。
興味のある方は是非聴いてみてください。
あなたの知らない世界がそこに広がるかも。
■ソニック・ユース
80年代より現在まで、最も重要なロックバンド(多分間違いなく)。
多分彼らが世界で始めてノイズとポップを理想的な形で融合させ、
その後のミュージックシーンに与えた影響は計り知れません。
全ての弦をDに合わせるオールDチューニングや、
1弦を2音上げたり(弦が切れそう…)、
6弦を2音下げたり(ドローンサウンド)など
強引なピッチシフトによる変則(変態)チューニングによる不協和音。
曲によってチューニングの違うギターを使い分けるなどの徹底ぶりや、
ドラムスティックを弦の間に通し、音を出すなどの特殊奏法。
強烈なディストーションによるフィードバックやハウリング。
など、実験的でありながらも、それらをポップフィールドで
曲として構築する見事な手腕。真の意味でラディカルなバンドです。
【おすすめアルバム】
EVOL(Universal UICY-2113 1986年)、SISTER(同UICY-2114 1987年)
80年代末に発表されたインディーズ時代のこの2枚がやはりグレイト!
■マイ・ブラッディ・ヴァレンタイン
間違いなくソニック・ユースの影響下にあるバンドですが、
ギターサウンドへのアプローチやこだわりが尋常ではありません。
ロックとかサイケとかアバンギャルドとかジャンル分け不可能な
すさまじい完成度による唯一無二のサウンド。
ノイズにより怒りや悲しみを表現するなどの次元をはるかに飛び越え、
純粋にギターノイズとメロディアスなボーカル・コーラスにより
構築された、異次元ポップミュージック。
なかなか言葉では表わせないので、是非聴いてもらいたいです!!
【おすすめCD】
ラブレス(SME ESCA-7703 1991年)
もうこれしかないという驚愕の1枚。
大音量で聞くと間違いなくトリップします。
■型にはまらない、誰もが表現できる音楽
ジャンル分けされ完全に産業化してしまった現在のポップ
ミュージックにおいて、良くも悪くも上記に述べたような
音楽もひとつのジャンルとして存在しています。
ジャンル分けすることにより、リスナーは好きな音楽を簡単に選択
することができます。でも、逆にジャンル分けされたことにより、
リスナーもアーティストもすごく許容範囲が狭くなってきているよ
うな気がするのです。
「ビートルズにより音楽は全て出尽くした。」などと言われていますが、
もっと音楽業界全体の自由度が高く、かつ純粋に音楽の為のものになれば、
ポップミュージックの新たな可能性は広がると思います。
いろんなジャンルの音楽や楽器や奏法、カルチャーやアート、世代など
あらゆる要素を取り込み、型にはまらず誰もが表現できる
唯一の音楽こそがポップミュージックなのですから。
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