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楽器とデザイン ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ こんにちは。 楽器の魅力といえば、その音色はもちろんのこと、見た目の美 しさやデザイン性ということも挙げられるのではないでしょう か?そこで今回は、浜松市楽器博物館(静岡県)の北川敏行さ んに、デザインから見た楽器について伺いました。 -- 楽器は、どれも美しくそれぞれ個性的ですが、その中でも特に ヴァイオリンの形が好きという人は多いでしょう。その完成さ れたともいえるフォルムは、ヴァイオリンが誕生した500年ほ ど前からほとんど変わっていないということからも分かりま す。 弓奏楽器は、中東あたりで発生し、シルクロードに乗って西に 移動したものが後にヴィオラ・ダ・ガンバやヴァイオリンに、 東へ移動したものがやがて馬頭琴などへと変化していったと言 われています。 ヴァイオリンの形で特徴があるのは、本体のくびれ。これは多 くの弓奏楽器に見られる特徴で、弓を引くときに邪魔にならな いように考案されたのでしょう。f 字型の音響孔はインパクト がありますが、これはなぜこの形になったのか明確に分かって いません。ギターやマンドリン、リュートなどの音響孔は丸い 形をしていますし、古典的な弓奏楽器であるヴィオラ・ダ・ガ ンバは、本体がヴァイオリンによく似ていても音響孔は c の形 です。 楽器には、さまざまな装飾が施されているものもあります。 ヨーロッパ以外の地域で使われる楽器の多くは、それぞれの地 域の宗教と深く結びついているため、現地で信仰されている神 や精霊、先祖などの姿が現れます。 一方ヨーロッパでは、楽器を宗教から切り離し芸術品として捉 えていたので、華美な絵画や彫刻などが施されることが多くあ りました。貴族に愛されたチェンバロには、蓋や側面などあら ゆるところに美しい絵が描かれているものも。台座も豪華に作 られていて、当時の貴族が競って職人に作らせていたのが分か ります。 その後、一般家庭に普及してくるピアノは、これらと比較する と、デザインもずっとシンプルになってきます。時代を経て豪 華な装飾が排除され、色も黒一色のものが作られるなど、機能 的部分が重視されて現在に至っています。 浜松市楽器博物館について ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 1995年(平成7年)4月に日本初の公立楽器博物館として開館。 世界の楽器1200点を展示し、日本や東洋のみならず、世界でも 第1級の楽器博物館です。ヘッドフォンや小型モニターによる 演奏風景の紹介、イヤホンガイドによる解説、体験ルームでの 自由な楽器の演奏など「みる・きく・ふれる」展示で、大人も 子どもも楽しめます。 (静岡県浜松市中区中央3-9-1 Tel:053-451-1128)
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