『ポピュラー』から

　オペレッタをもとに、20 世紀初頭アメリカで生まれた音楽劇。音楽、演劇、踊りを融合させ、親しみやすく娯楽的要素の強い内容を持つ。ニューヨークのブロードウェイを中心に発展した。ミュージカル映画（ミュージカルの舞台を映画化したものと、もとから映画として作ったものなど）も多い。代表的なミュージカルの一部を次に挙げる。解説中の「初演」は舞台初演のこと。

〈リトル・ジョニー・ジョーンズ　Little Johnny Jones〉
　初演は1904 年。ジョージ・M ･コーハンが作詞・作曲から主演までこなしたミュージカル・コメディ。アメリカ人の現実社会、生活感覚が強く表れている。

〈ショウ・ボート　Show Boat〉
　初演は1927 年。作詞オスカー・ハマースタインII 世、作曲ジェローム・カーン。映画化も３回なされた。ショウ・ボートとは、19 世紀ミシシッピー河に浮かぶ船の上で、芝居や音楽の演奏（ショウ）が行われていたものを指す。白人と黒人の人種問題を含む作品。音楽にジャズの影響が出てくる。

〈エニシング・ゴーズ　Anything Goes〉
　初演1934 年。作詞・作曲コール・ポーター。映画化も２回なされた。

〈ポーギーとベス Porgy and Bess〉
<演のディズニー映画で、「チム・チム・チェリー」などが有名である。

〈コーラス・ライン　A Chorus Line〉
　初演は1975 年。作曲マーヴィン・ハムリッシュ。映画化は1985 年。

〈キャッツ　Cats〉
　初演は1981 年ロンドン。作曲アンドルー・ロイド・ウェバー。ウェバーの作品は他に〈オペラ座の怪人　The Phantom of the Opera（1988 年）〉など。