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1つの曲のある部分で使われている音のうち、主要なものを集めて1オクターヴ内に順にならべたもの。メロディや和音は何らかの音階に基づいて作られている。音階にはいろいろな種類がある。 (1)全音階(diatonic scale〔英〕) ダイアトニック・スケール。1オクターヴ中に5つの全音と2つの半音を含む7音音階。長音階と短音階(自然短音階)とに分けられる。正しくは全音階的音階という。 (2)長音階(major scale〔英〕) 全音階の1つで、主音と第3音との音程が長3度なのが特徴。第3、4音の間、第7音、主音の間が半音になる。長調の楽曲のメロディ、和音などの基盤になる。 (3)短音階(minor scale〔英〕) 全音階の1つで、主音と第3音との音程が短3度なのが特徴。短調の楽曲のメロディ、和音などの基盤になる。下記の3種類ある。(譜例はイ短調) 1)自然(的)短音階(natural minor scale〔英〕) 第2、3音の間と第5、6音の間が半音になる。実際の音楽では、2)3)の各音階に変化される。 2)和声(的)短音階(harmonic minor scale〔英〕) 1)の第7音を半音高めた短音階。そのため第6、7音の間が増2度になる。 3)旋律(的)短音階(melodic minor scale〔英〕) 1)の第6音、第7音を半音高めたもの。和声(的)短音階の増2度進行を避け、より旋律的で歌いやすくしたもの。下行は 1)と同じ形をとる。 (4)全音音階(whole-tone scale〔英〕) 1オクターヴを6つの全音に分けた6音音階。音の構成は二種類のみある。ドビュッシーは音楽の一部に全音音階を取り入れ、独自の色彩感覚を持たせるにいたった。 (5)5音音階(pentatonic scale〔英〕) 5つの音からなる音階。ペンタトニック・スケール。日本の伝統音楽や各国の民謡の基礎にもなっている。陰音階、陽音階、沖縄音階、スコットランドの音階など。 →日本の音階 (6)半音階(chromatic scale〔英〕) クロマティック(・スケール)。12の半音からなる音階。これは旋律の基礎にはならず、経過的に用いられる。 (7)ブルース・スケール(blues scale〔英〕) ブルー・ノートが組み込まれ、ブルースのフィーリングをもつメロディの基盤となる音階。 (8)ジプシー音階(gypsy scale〔英〕) ハンガリー、スペイン、ポルトガルなどに住むジプシーの、独特な音楽の基礎となる音階。増2度が2カ所あり、ハンガリー音階ともいわれる。
カワイ出版刊「すぐに役立つ音楽用語ハンドブック」より
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