解説
『曲種』から

楽劇【がくげき】
Musikdrama〔独〕

 ワーグナーが、ドイツ・ロマン派オペラの伝統と、レチタティーヴォアリアを中心とするイタリア・オペラへの反動として大成した、総合芸術。オペラを構成する諸要素をひとつの融合体とし、劇の一貫した流れを阻害しないように無限旋律(下記注)を導入した。また示導動機(→ライトモティーフ)の採用によって劇の進行を助けた。ワーグナー〈トリスタンとイゾルデ〉など。
  注)無限旋律=旋律が和声的な終結感を迎えることなく、絶え間なく発展するもの。
    ダ・カーポ・アリア(→アリア)や番号オペラ(→オペラ)などの段落感を
    避けるため、ワーグナーなどが採用した。

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